バランス工法擁壁とは
バランス工法擁壁(BMW)とは、コンクリート擁壁であり、擁壁下部より上部幅の方が広い逆台形構造にして、その擁壁自重と土圧をバランスさせることにより安定を図る擁壁です。 擁壁前面にプレキャストブロックを使用することにより、 施工の効率化や耐久性、景観性等の向上を図っています。
- 基礎幅が従来擁壁の2/3~1/2で背面の掘削幅が少なくなることから工期の短縮、工費の縮減が図れます。
- 通行止め(車線減少)をしないで施工ができます。
- 前壁にプレキャストブロックを使用するため、施工が早く、安全です。
- 既存の擁壁を残したままの拡幅工事も可能です。
- 特に山岳部の急斜面での道路拡幅、新設工事にバランス工法の特長を発揮することができます。
- コスト縮減へのVE提案へもってこいの製品です。
設計事項
バランス工法擁壁の可能性
基礎掘削削減による現道の確保
工事計画のミニマム化
法面掘削低減による環境保護
空間の有効利用
山岳道路への挑戦
工期短縮(土工の低減とプレキャスト化)
フロントブロック
バランス工法擁壁の合理性
施工概要
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- 底版の施工
- 底版は全て現場打ちコンクリートです。擁壁前面の所定位置にフロントブロックを固定するためのポスト筋を設置します。
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- フロントブロックの設置
- 底版は全て現場打ちコンクリートです。デーハーを使ってフロンとブロックを吊り上げ、ポスト鉄筋に差し込み、所定位置に設置します。 その後、モルタル充填にて固定します。
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- コンクリートの打設
- フロントブロックに充填したモルタルの養生後、フロントブロック背面側にコンクリートを打設します。型枠を使用した通常施工の場合は、コンクリート養生後型枠脱型、内側を裏込め排水材で埋め戻します。
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- 施工リサイクル
- 底版は全て現場打ちコンクリートです。所定の擁壁高まで、フロントブロック設置→背面側コンクリート打設埋戻しを繰り返します。
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- 擁壁上部の施工
- 擁壁上部1~2m範囲は、壁厚5cm程度の高壁を構築します。 なお、道路縦断勾配に対しては、天端調整コンクリートの現場施工が必要になります。
MⅡウォール(エム・ツー・ウォール)の特徴
バランス工法から生まれました
MⅡウォールは、バランス工法の逆台形部分をプレキャスト化したコンクリートブロックで、製品の前面壁と背面壁が躯体の型枠代わりとなります。 そのため、型枠の設置・撤去の作業を省略できるので、施工性の向上・工期の短縮を図ることができます。